【読書】『非花(はなにあらず)』
中国小説短編集。
「梅花山弄」「傅延年」「葛巾紫」「非花」の四作品。
「中国史を勉強しよう!」と歴史の教科書のようなものから入る方法をとると、
・統治方法の変化
・技術革新と政治の対応
・異民族対策
といった見方になってしまいがち。
しかし、政治は皇帝や官僚が動かしているけれど、その時代に生きているのは民衆。
程度の差はあるけれど、
「今のご時世、大変だね~」
といいながら生きているのが民衆。つまり僕ら。
小説とか演劇とか口伝とかで伝わった民衆の生き様を見るほうが生々しくて、興味深いものがある。
それをまとめて法則論を導き出すのは難解なものがある。
不幸は、ないことに越したことはないんだけど、知っておくと運が悪く・・・という時に対処法が思いつく。
したくない経験でも、どうしようもない時もある。
そんなときに役に立つだろう。そんなときがないほうがいいんだけど。
四作品の主人公は、時代も生まれもバラバラ。
こういう話が中国史のあちらこちらに転がっているのなら、小説のほうから中国史に切り込む方が、堅苦しくない。