【読書】『なるべく働きたくない人のためのお金の話』【「たくましさ」と「やさしさ」がなければできないこと】
「ミニマリスト」って生き方があるんだな(参照:『手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法』)、ということを知り、憧憬のようなものを感じてしまった。
自分とは違う生き方をして、違う考え方を持っている人がいる―――――という好奇心だったのかもしれないけど。
今回、大原さんの本を見つけてしまった。
「どんなことやってるのかな~」と思って読んでみて、感じたのは「たくましさ」と「やさしさ」だ。
ポイント
- 「たくましさ」
トライ&エラーを繰り返しながら、やると決めたことはやる。 - 「やさしさ」
正しさのために生きているわけではない。
自分の満足と他人の満足は違う。
たくましさ
これで生きていけなくなったらどうしようと心配しながら、トライ&エラーを繰り返し、地道にひとつずつ、それが自分にとって本当に必要なものかどうかを確かめる──。誰からの「いいね!」もない、どこに着地するかもわからない、でもやる、そんな孤独な作業の積み重ねだったように思います。
ただひたすら、自分がそのとき置かれた状況のなかで、どうすれば、今よりハッピーになるかを考えて、実行する。それを愚直に何万回も繰り返していました。その結果、気がついたらご褒美のように、年収九十万円で生きていけるようになっていたんです。どんな生き方をしても「トライ&エラー」を繰り返していくしかない。
PDCAという言葉もあるけれど、いろいろやって反省して、修正して、上手くいく方法を考える。
学校卒業からのサラリーマンという人生しか送ってないから、自慢できるものではないけど、結局どんな生き方をしてもついて回る問題だ。
でも、自分の生き方を自分で決めたんだから、それをやり遂げる。
それを「たくましさ」と言わずなんというのだろう。
「年収90万」というとたくましく聞こえないけれど、でも、僕は「よくできるな」と感じた。
やさしさ
大原さんに「やさしさ」を感じるのはこれだ。私の原則は世界の原則ではないので、周りに強制することはもちろんありません。
自分は自分。他人は他人。
これは冷たいことではなく、当然のことだ。
何が好きで何が嫌いか、何が得意で何が苦手か、何をやりたくて何をやりたくないか。そんなものは十人十色。
誰かが上手くいっていても、自分がやったら失敗する。逆もまた然り。
「自分はこう思う」「自分はこれで上手くいった」ということを教えてくれるけど、強制しない。
そういう考え方に「やさしさ」感じる。
これが正しいという話ではないので、お金に関するひとつの体験談として、気軽に読んでいただければと思います。
でも、その社会で当たり前とされていることは、必ずしも正しいとは限りません。みんなが当たり前のようにこなしていても、自分は苦しいと思うなら、それでいいんです。自分だけの実感に、他人がとやかく言う筋合いはありません。他人と比較して、どちらのほうがより苦しいというのも無意味です。
どんな生き方を選ぶにしても、「それが正しいかどうか」と問うのは、本質的でない気がしています。たしかに、正しさのために生きているわけではない。
何のために生きるのか考えたとき、私は少なくとも正しさのために生きてるわけではありません。
そんな時と場合でコロコロ変わるものを追いかけていたら疲れるので、私は自分の生き方について、「正しいかどうか」とジャッジすることをやめてしまいました。かといって、「間違っていてもいい」ということでもありません。
私がほしいのは他人と比べてどうこうではなくて、自分が個人的に快適と感じる生活、です。
間違っていいわけではないけど。
極論から言えば、他人に迷惑かけなければ、どんな生き方したって、考え方持ってたっていいだろう。
「自分はこれで満足」と思えればいいんだから。
週休五日の隠居生活を始めたときも、「おまえのせいでGDPが下がった」とか言われました。なんつう暴言。
こういう発言を聞いてしまうと、いかに大原氏が「やさしい」かわかってもらえるだろう。
まとめ
- 「たくましさ」
トライ&エラーを繰り返しながら、やると決めたことはやる。 - 「やさしさ」
正しさのために生きているわけではない。
自分の満足と他人の満足は違う。