【読書】『9・11後の現代史』
本書は、21世紀の中東しか知らない若者には、「今見ている世界と中東がこんなに怖いことになってしまったのは、そんなに昔からじゃないんだよ」と伝え、20世紀の中東を見てきた少し年嵩の人たちには、なぜ世界と中東がこんなことになってしまった ...
【読書】『知性とは何か』【「反知性主義」を克服せよ】
佐藤優さんは「反知性主義」を次のように定義する。
実証性や客観性を軽視もしくは無視し ...
【読書】『資本主義はなぜ自壊したのか』【何ごとも「バランス」が必要】
アメリカ主導のグローバル資本主義がなければ、BRICをはじめとする新興国の生活 ...
【読書】『若い読者のための第三のチンパンジー』【私たちは目的を選ぶことができる】
人間は大型哺乳類の一種である。しかし、どの動物とも似ていない。
言葉でコミュニケーションをとる、芸術を楽しむ、複雑な道具を作る。それはヒトだけが持つ特徴である。
しかし、同じ種である人間を大量殺戮したり、他種を絶 ...
【読書】『昨日までの世界』[下]⑩【塩分とりすぎ、カロリーオーバー、そして個人差】
ニューギニア人の体形は、贅肉がなく、筋肉質で、太っている人どころか小太りの人もいない。
医学的にも健康で、糖尿病、高血圧、脳卒中、心臓発作、循環器疾患、癌といった、今日の先進国でみられる死因の大方である非感染性疾患は、都市 ...
【読書】『昨日までの世界』[下]⑨【多くの言語を話す】
言語は、九日にひとつというものすごい速さで地上から姿を消しつつある。
絶滅危惧種の動植物の現況を記録に残すのが時間との闘いであることと、同様のことが言語のあいだでも起きている。
しかし、言語が急速に消滅しつつある ...
【読書】『昨日までの世界』[下]⑧【宗教の役割】
「それって本当に宗教?」
と疑問に抱く事件やニュースは枚挙にいとまがないが、現代社会のみならず、過去の歴史を鑑みても同様である。
宗教は信者に、大なり小なり、時間と資源の投下を求める。経済学の言葉を使えば、機会費用を ...
【読書】『昨日までの世界』[下]⑦【危険とリスク対策】
クン族のコマという男とは、自分の狩りの獲物に群がるライオンやハイエナたちを平気で追い払える男でもある。しかし、車が走る道路を横断する際には恐怖に震える。
ニューギニアのザビーネは、野生の豚やワニを目にしたときでも、身の危険 ...
【読書】『「知的野蛮人」になるための本棚』【「順応の気構え」ではなく「自分の頭で考える」】
「ずいぶんいろんな本を読んでいるな」
が最大の感想。
政治、経済、歴史、哲学から、ビール、ソバにいたって、恋愛、不倫、フーゾクにまで行くとは思わなかった。
ドイツの社会主義者ユルゲン・ハバーマスが唱える ...
【読書】『昨日までの世界』[下]⑥【建設的なパラノイア(被害妄想)】
ジャレド・ダイヤモンドさんがニューギニアの密林でフィールドワークをしていた時の話だ。
ニューギニア人たちは、枯れた巨木の下で寝て、一晩過ごすことを極度に怖れていた。
巨木が倒れてきて自分たちが ...