【読書】『昨日までの世界』[下]⑥【建設的なパラノイア(被害妄想)】
ジャレド・ダイヤモンドさんがニューギニアの密林でフィールドワークをしていた時の話だ。
ニューギニア人たちは、枯れた巨木の下で寝て、一晩過ごすことを極度に怖れていた。
巨木が倒れてきて自分たちが ...
【読書】『昨日までの世界』[上]⑤【高齢者への対応】
社会が高齢者をどのように処遇しているか?
子育て同様、高齢者の処遇は、現代社会においてもバリエーションがある。
しかし、伝統的社会のあいだにみられるバリエーションは、現代社会よりもはるかに幅が広く多岐にわたる。 ...
【読書】『愛着障害』【愛着は人間関係の土台なのです】
キッカケは『カサンドラ症候群』を読んだこと。
「愛着障害」に興味をもったしだい。
人間が幸福に生きていくうえで、もっとも大切なものは、安定した愛着である。
愛着の問題は親子関係を直撃しやすい。
【読書】『昨日までの世界』[上]④【子どもは社会の宝である】
『昨日までの世界』を読む場合の決まり文句のようになっているが、現代国家社会のほうが、伝統的社会より優れているとは限らない。
逆も同様である。
子育てについても同様である。
当然のことながら、子育 ...
【読書】『昨日までの世界』[上]③【復讐の連鎖を止める】
伝統的社会の戦闘は、現代戦の基準から言えば、効率が悪い。
原因として、近射程兵器しか使えない、リーダーシップの欠如、戦闘計画の稚拙さ、集団軍事訓練の不在、一斉攻撃戦法の不在などなど。
ようするに、どち ...
【読書】『カサンドラ症候群』【犯人捜しより原因探し】
いくら伝えようとしても伝わらない、という喩えに、カサンドラが使われる。
共感性や応答性に欠けた夫と暮らす苦痛をわかってもらおうとしても、常識的な人ほどその苦しみがわからない。
夫の共感性に問題があるため、妻に ...
【読書】『昨日までの世界』(上)②【トラブル解決の比較と考察】
パプアニューギニアで発生した交通事故である。
ミニバスの後方から飛び出したビリー少年が、マロという男の運転する車にはねられた、というものである。
なお、マロは地元の会社に雇われていたドライバーである。
...
【読書】『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』
本書は、ストレスに対する思い込みを変え、上手に付き合う方法を提示している。
なにより、ストレスとうまく付き合っていくために科学的な知識があったほうがいい。
理由の一つは、人間の性質に関する研究は、自分自身や大切な ...
【読書】『昨日までの世界』[上]①【交易の目的】
本書は、伝統的社会と現代社会を比較考察し、そこから判明する叡智を、日常生活や政策に反映させようと試みている。
ただし、いたずらに伝統的社会をユートピアと考えているわけではない。現代社会ではありえないような危険や不幸が含 ...
【読書】『改革の不条理』【制度と人間を活用する】
本書で取り上げる「改革の不条理」は多方面にわたる。
しかし、主語を変えたり、商品・製品・サービスを変えてたりしてみても、現在進行形で通用してしまう―――――「問題」が変わっていないのだ。
それはなぜか?