【読書】『老後ひとりぼっち』
タイトルからして恐ろしい。
しかし、ただ怖がっていても、何も変わらないし、何の対策もできない。
古川武士さんは『7つの心のブレーキを外せばうまくいく「すぐやる」習慣』のなかで、「お化け屋敷の法則を乗り越える」と言われています。
お化け屋敷が怖いのは、何がどこで出てくるか分からない不確実性、予測不能性のためです。そうであれば、予測可能なものにすればいいのです。「老後ひとりぼっち」も同じこと。
せっかく教えてくれて、予測可能になったのだから、対策を練りましょう。
個人としてできる対策もあれば、国・社会に頼らなければできない対策もある。
いすれにせよ、「なんとかなりそうだ」と思えるようにしておきましょう。
「保証人システム」って必要?
病院で保証人!?
仕事をするにも保証人、借金するにも保証人、家を借りるにも保証人、老人ホームに入るにも保証人・・・・・ときて、病院に、入院するにも手術するにも保証人が必要。
って、病院はないだろう。
病院に行くということは、老後でなくてもあり得ることなのに、そして困っているということなのに、そんなときにまで「保証人がいないからダメですよ」では、あんまりだと思う。
そもそもなのだが、仕事・借金・借家であっても、保証人が必要なのか? と改めて考えたら不要なことだ。
本人の資質・能力の問題であって、保証人がいるから安心・安全ではない。
本人の健康状態に問題があるのなら、国家や社会がサポートすればいい。
日本社会と保証人システムを考える
ただし、「保証人」も日本の社会を振り返って考えてみれば「どこかの時期までは」有効なシステムだったのだ。
戦後の日本は、
高度経済成長 → バブル → 平成不況
大家族 → 核家族 → 少子高齢化
と変化している。
「高度経済成長」と「大家族」の時代なら、わざわざ国家や社会がやらなくても、「保証人」というシステムでよかったのだ。
親や兄弟姉妹が多いから、介護も子育ても家族を頼れるし、景気も良かったから経済的な問題も表面化せずに済んだ。
しかし、今は「平成不況」と「少子高齢化」の時代。
親や兄弟姉妹の絶対数が少ないから、介護も子育ても家族の一人当たりの負担が大きくなるし、経済的な問題も表面化する。
社会が変わったのだ。
それなのに、社会の慣習が変化していない。
1980年には65歳以上の老後ひとり暮らしが約88万人。
それが2010年には約480万人。
2035年には約770万人になると推計されている。
これだけ増えるのに、「保証人がいないから」という理由だけで、家も借りられない、老人ホームにも入れない、それどころか入院も手術もできない。
「保証人システム」は変えなければならない。
ちなみに家を借りる時の、アメリカと韓国
ちなみに、アメリカは「人種・性別・障害の有無」でアパートを貸さないことは法律で禁止されている。
韓国は、保証金にあたる「チョンセ」と呼ばれるものを家賃の1年か2年分払えば、退去時まで家賃を払う必要がない。
日本も今後、「ひとり」が急増するのだから、こういう諸外国のシステムを見習って、保証人にかわる制度を構築すべきだ。
悲惨な「老後ひとりぼっち」にならないために
といっても、政治や社会に頼る前に、個人でできることはやっておこう。
今から押さえておくべき20のこと
まずは、あなたの夫婦関係を見直そう
①「ありがとう」を口癖にする
②石鹸の香りのするお父さんを目指す
③笑顔こそ夫婦円満にかかせない
④相手へのサプライズは効果大!
職場以外の友達を積極的に作る
⑤趣味の友達を積極的に作る
⑥社会活動に参加する
⑦おばさんと仲良くなる
⑧地域デビューはやめたほうがいい人もいる
⑨今さら、恋に関心を持たないこと
自炊が得意な人になる
⑩家族の週末キャンプで腕を磨く
⑪炊事、洗濯、掃除を特技にする
病気の不安を持たないこと
⑫病気のことは神様にお任せする
⑬先の心配をしないこと
⑭一人暮らし。もし家で倒れたら
⑮ガンより怖い長生き
いつまでも収入があるようにする
⑯年金で暮らそうと思わないこと
⑰ちょいビジネスを始める
⑱日曜大工は身をたすく
孤独を楽しむ力を身につける
⑲ひとりで死ぬ覚悟を持つ
⑳寂しい見た目から明るい見た目に変える
若いうちからやっておくべきことでは?
松原さんは20のポイントをあげてくれている。
これは若いうちからやっておいて損はないことだ。
恋に関心は持ったほうがいいけれど。
夫婦関係は良好に越したことはないし、誕生日だからでサプライズしたら夫婦関係ばかりでなく、それ以外の人間関係も良好になるだろう。
職場以外の友達を作れば、「こいつら、こんなこと考えてんのか!」という視野を広げることもできる。
炊事・洗濯・掃除ができれば家は清潔で気分がいいし、生活費が抑えられる。
山登りが趣味だった僕の友達は、飯盒炊爨でご飯を炊ける。ピンチの時に心強いだろう。
ブログで情報発信していれば、共通の趣味を持つ友達ができるし、お金になるかもしれないし、少なくともパソコンには詳しくなる。
「仕事が忙しい!」という気持ちもわかるけど、なにかに手を付けておけば、ナウの人生も楽しくなるし、老後につながると思えば、不安に対処できるだろう。
できることから、早めに始めよう。